◆2012.7.26 B型肝炎訴訟傍聴記
2012年7月26日午後3時。東京地裁103号法廷には、開廷前から長蛇の列ができていました。約150名ものB型肝炎訴訟の患者さんや遺族の方が弁論期日に出席されていました。あふれた人は法廷には入れません、というのではなく、裁判所の職員も座席を増やすために椅子を運んだり、誘導してくれたりと原告らに協力的でした。
また、マイクがあるため裁判長や証人の声がよく聞こえました。私が経験した限りでは、裁判官は一般的には法廷でしか聞けない専門用語をぼそぼそと話すことが多いのですが、この法廷の裁判長は、言葉を選んで、傍聴者にわかりやすく発言しているという感じを受けました。水戸地裁にも是非マイクを導入して欲しいものです。
原告の方3人が、予防接種の際に注射器等を使い回しされたためにB型肝炎に罹り、そのことによって生活がどのようになるのかを赤裸々に陳述されました。肉声で聞く話の内容は非常に重いものがあり、あらためてその被害の実態にがく然とし、胸を打ちました。開廷前、被告席に座っている厚労相の担当者らは、あくびをしたり、にやにやと隣と話をしており、私はそれが非常に気になっていましたが、彼らは原告患者の陳述をどのように受け止めたのでしょうか。
柳沢弁護団長は、和解進行が厚労省側の原因によって遅れていることと、20年時効(除斥)の問題について意見陳述をされました。
このB型肝炎訴訟の和解の精神は、広く、迅速に救済することが札幌地裁の和解勧告で示されている。それに照らせば、基本合意成立後の1年余りの間に和解成立した件数は余りにも少ない。その最たる原因は、除斥期間や提出資料に関して国側が厳しすぎる条件を患者側に与えていることであるという話の内容に、思わず拍手をしそうになりましたが、そこは自制して相づちを打つに止めました。
さらに、柳沢団長は、B型肝炎という病気は、病気が落ち着いている時期、悪くなる時期を繰り返す特徴があることから、20年時効(除斥)を安易に適用すべきではないことを具体例を挙げながら説明されました。
基本合意は成立しているものの、これらの諸点で患者側と国側で、まだまだ争点が残されており、広い救済を実現するためにもさらなる努力が必要であることを実感いたしました。 (D)
◆2012.4.5 茨城弁護団 第一次提訴記者会見
2012年3月27日、茨城弁護団ではじめて3名の方の提訴を行いました。提訴にあたって、茨城弁護団及び東京弁護団が合同で記者会見を行いました。記者会見の様子は、動画でご覧になることができます。
◆2012.4.12 提訴記者会見
昨年7月からB型肝炎提訴希望者の受付・相談を行って参りましたが、この度3名の方が原告となり、茨城弁護団として初めて提訴を行いました。今後も随時申立を行っていく予定です。